序:不老不死・完璧に創造されたいのち

[Ⅰ] はじめに 人は全知全能の創造主である神のかたちを頂いた

創世記1章1節、1章26節~2章3節
hurohushi_1.jpg初めに、神が天と地を創造した。
神は仰せられた。「さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように。」神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。」そのようにして神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ。それは非常によかった。夕があり、朝があった。第六日。こうして、天と地とそのすべての万象が完成された。神は第七日目に、なさっていたわざの完成を告げられた。すなわち第七日目に、なさっていたすべてのわざを休まれた。神は第七日目を祝福し、この日を聖であるとされた。それは、その日に、神がなさっていたすべての創造のわざを休まれたからである。

聖書の冒頭に,宇宙・地球・地上に生きるものの創造が書かれている。そして、最後に、私たち人間の創造が書かれている。人類は神のかたちを頂いて、特別な存在として創造された。分けることの出来ない霊・魂・体が一体となった人の存在は、神のかたちを映し出したものである。それがどんなに素晴らしいものであるか、今生きている私たちには、はるか理解の届かない完璧(かんぺき)なものである。

 

[Ⅱ] 神のかたち  アダムの創造・エバの創造

アダムの創造: 

土地のちりで人を形造り、その鼻に いのちの息を吹き込まれた 。 そこで、人は、生きものとなっ た。(創世記2章7節)。 

エバの創造:  

人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた。人は言った。「これこそ、わたしの骨の骨、わたしの肉の肉。これをこそ、女(イシャー)と呼ぼう。まさに、男(イシュ)から取られたものだから。」(創世記2章22節、23節)【新共同訳】


エバと命名: 創世記3章20節

【新改訳】 さて、人は、その妻の名をエバと呼んだ。それは、彼女がすべて生きているものの母であったからである。

【新共同訳】アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。

【リビングバイブル】アダムは妻をエバ (いのちを与える者) と呼びました。 全人類の母となるからです。

【NIV】 Adam (The man) named his wife Eve, (means <living>), because she would become the mother of all the living.

【NKJV】 And Adam called his wife's name Eve, because she was the mother of all living.

新約聖書にも、人が神のかたちを頂いて創造されたこと、神のかたちとはキリスト・イエスであることが、明確に書かれている。イエス・キリストの御姿と同じ姿に人がなるように,前もって定められていたのである。

御子のかたち:

コリント人への手紙第二 4章4節

神のかたちであるキリストの栄光にかかわる福音の光【新改訳】

神の似姿であるキリストの栄光【新共同訳】

the light of the gospel of the glory of Christ, who is the image of God,. 【NKJV】

コロサイ人への手紙1章15節

御子は、見えない神のかたちであり、造られたすべてのものより先に生まれた方です。【新改訳】
御子は、見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。【新共同訳】
He is the image of the invisible God, the firstborn over all creation. 【NKJV】

ローマ人への手紙 8章29節

御子のかたちと同じ姿にあらかじめ定められた。 【新改訳】
神は前もって知っておられた者たちを、御子の姿に似たものにしようとあらかじめ定められました。【新共同訳】
For whom He foreknew, He also predestined to be conformed to the image of His Son,【NKJV】

すべてのことの出発点とゴール
 ローマ人への手紙10章36節

万物は神からいで、神によって成り、神に帰するのである。
栄光がとこしえに神にあるように。アーメン 


[Ⅲ] 神のかたち  健康に生きるように創られた体

  私たちは「神のかたち」を思うとき、語るとき、その内容は、霊的側面と精神的側面であることが多いようで、肉体を思い浮かべることは少ないのではないか。しかし、聖書は霊・魂と肉体を切り離してはいない。
霊・魂・体は一体である。御子のかたちと同じ姿にあらかじめ定められ(ローマ書8章29節)ており体も主のかたちを頂いたのである。そして、不老不死・健康な体を頂いたのである。

聖書は霊・魂・体の健康が一体であることを,明確に語っており、体が健康だと心も健康に,逆に体が病(や)んでいると心も病(や)むことが書かれている。その一端(いったん)を学んでみよう。

箴言3章5節~8節
心を尽くして【主】に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。自分を知恵のある者と思うな。【主】を恐れて、悪から離れよ。それはあなたのからだを健康にし、あなたの骨に元気をつける。

マルコの福音書5章34節
イエスは彼女にこう言われた。「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。病気にかからず、すこやかでいなさい。」

箴言17章22節
  陽気な心は健康を良くし、陰気な心は骨を枯らす。

申命記28章62節、66節
あなたがたは空の星のように多かったが、あなたの神、【主】の御声に聞き従わなかったので、少人数しか残されない。あなたのいのちは、危険にさらされ、あなたは夜も昼もおびえて、自分が生きることさえおぼつかなくなる。

 

[Ⅳ]  創造された体  健康を維持する驚異のメカニズム

体を健(すこ)やかに維持する驚異のメカニズムが、創造された私たちの体には組み込まれている。
不老不死に創造された体は、罪が入ったために死ぬ体となったので、創造されたそのままの姿ではないが、しかし主の憐れみによってその主要な部分は維持されている。

主要な臓器について,以下に簡単に記述する。しかし、これらはそれぞれが独立して機能しているわけではなく,相互に過不足なく,また時間的な遅速もなく,見事に統御されて一人の人として,いのちが美しく維持されていることを忘れてはならない。
 統御の中枢は,脳・中枢神経系であるが,この重要な臓器はこの項で語るには複雑すぎるので,別の機会に触れることにする。
 別の中枢は心臓・循環器系,そして肺・呼吸器系であるが,これらについては簡単に記述する。

 箴言4章20節~22節
わが子よ。私のことばをよく聞け。私の言うことに耳を傾けよ。それをあなたの目から離さず、あなたの心のうちに保て。見いだす者には、それはいのちとなり、その全身を健やかにする。

1) 肺臓:
  肺の重さは一つあたり男性が約1,000g、女性は900g。

眠っていても無事に呼吸できる(健康であれば)!
 頸(けい)動脈で呼吸不足を感知し,情報は脳へ到達し,脳から指令が横隔膜(おうかくまく)に出される。
  肺は全身を巡ってきた血液のガス交換を行い,酸素を多量に含んだ新鮮血にとして全身に送り出す働きをしていることは,誰でも知っているだろう。

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                           上右図のように、外からの空気は気管、気管支を通り、ガス交換が行われる肺胞に、最後に到達する。(Wikipedia)

言葉にして言えば,いかにも簡単そうな働きに思えるかも知れない。しかし、生理的反応により排出した「炭酸ガス」を回収して静脈を通って肺に戻ってきて、肺で完全にガス交換が行われる。この一連の活動が支障なく行われるためには,細部にわたって綿密な構造、機能が備えられていなければならない。

2) 心臓・循環系
創世記 2章7節   その鼻にいのちの息を吹き込まれた。

詩篇139篇13節~16節

  あなたが私の内臓を造り、母の胎(たい)のうちで私を組み立てられたからです。私は感謝します。あなたは私に、奇しいことをなさって恐ろしいほどです。私のたましいは、それをよく知っています。私のために作られた日々が、しかも、その一日もないうちに。

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心臓には血液の逆流を防止するために4つの弁がある。

三尖弁:右心房と右心室、肺動脈弁:右心室と肺動脈 

僧帽弁:左心房と左心室、大動脈弁:左心室と大動脈  

心臓:250グラム、握りこぶしほどの大きさ                 

血液の流れ

上大静脈と下大静脈から右心房に、それが右心室へ,それから肺動脈を経て肺へ。肺から肺静脈を通って左心房へ戻り,左心室へ送られ、左心室から大動脈を通って全身へ。

100~130mmHg  60~90拍 / 分 で血液を拍出する
血液拍出量 4~5 ℓ / 分 → 300 ℓ/時 → 7,000 ℓ/日→ 200,000 ℓ/月

眠っていても、自動的に心臓は正常に働き続ける。自分で調節する必要はない、また自分の意志で調節したくてもできない。 

循環系(動脈)によって、酸素(栄養)を豊富に含んだ血液が全身に運ばれる。

血管の長さは、10万キロメートル(地球を二回り半)
2000本の毛細血管によって末端にまで運ばれる。

hurohushi_6.pnghurohushi_7.jpghurohushi_8.png

リンパ系:

組織液を取り除き、又吸収された脂質を循環系に運び、また免疫細胞の産生など、免疫機能に関わる。
血管系とリンパ系も末梢で連絡がある。

酸素、栄養分、体で合成された各種生体物質を全身に漏(も)れなく、過不足なく配る機能、及び逆に排泄(はいせつ)のために全身から種々の代謝物を回収して,体を清浄(せいじょう)に保ち,全身の代謝回転が健常に働くように、血管系とリンパ系が全身に張り巡らされている。

毛細血管の先端で、動脈血と静脈血がガス交換、その他の機能を果たす。静脈によって、二酸化炭素を含んだ、汚れた血液は肺に戻される。

3) 腸・消化器官                
噛(か)む・飲み込む → 食道・胃・腸 へ → 各所で消化吸収 → 排泄(はいせつ)この口から肛門までに至る一hurohushi_9.pngのサムネイル画像連の活動を担当している器官を,消化器官と総称する。

消化は口から始まる。
食物を「よく噛(か)む」ことの効用は,昔からあれこれと喧伝(けんでん)されている。 食物を噛(か)んで物理的に細かく砕くことによって、その後の消化反応がより効果的に行われる。さらに、デンプンを消化する消化酵素が唾液(だえき)に含まれている。

胃という器官は体の中で唯一厳しい酸性を呈しており、酸の海になっている変な臓器である。口で細かくなった食物はこの酸の海に投げ込まれて,その環境下で働く風変わりな酵素、ペプシンがタンパク質を消化する。
しかし、消化を担当する器官は、主として小腸である。全体の長さは
生きている時と死体で大きく異なる。生きている時には約3-7m、死体では1.5倍ほどになる。

腸の表面積は襞(ひだ)状の粘膜(ねんまく)になっており、その表面には数百万もの絨(じゅう)毛(もう)と呼ばれる指状の突起があり、さらに絨(じゅう)毛(もう)の表面には数千の微絨(びじゅう)毛(もう)がある。これが小腸の表面積(テニスコート2面分、4500 ㎡)を大hurohushi_10.pngのサムネイル画像きくしている。すなわち、栄養分が吸収されるための面積を大きくしている。

食物として摂取したタンパク質,炭水化物はその構成単位にまで小さく分解されないと、ほとんど体内に吸収されないので、まず、小腸で消化分解される。脂質もある程度分解されてから,やはり小腸から体内に吸収される。百万もの絨(じゅう)毛(もう)と呼ばれる指状の突起があり、さらに絨(じゅう)毛(もう)の表面には数千の微絨(びじゅう)毛(もう)がある。これが小腸の表面積(テニスコート2面分、4500 ㎡)を大きくしている。すなわち、栄養分が吸収されるための面積を大きくしている。

 大腸の主要な役割は,食物のうち消化されにくい成分、いわゆる食物繊維の発酵(はっこう)と水分の吸収である。hurohushi_11.pngのサムネイル画像主として多糖類からなる食物繊維は大腸内の腸内細菌によって嫌気状態で発酵し、そのかなりの部分が短鎖(たんさ)脂肪酸に変換される。そして、健康な大便を作ることもまた、大切な機能である。

4)膵臓(すいぞう)
 かつて成人病と言われ,今は生活習慣病と不名誉な名前になった糖尿病が脚光(きゃっこう)を浴びるようになって,膵臓(すいぞう)の存在が人々に注目されるようになった。右の図で分かるように、胃の側、背中側に何ごともなければ重要な役割を静かに,慎ましく果たしているという感じの臓器である。 しかし、ひとたびこの臓器に故障が生じると,命に関わることになる。糖代謝に深く関わる,かの有名なインスリンを製造している。インスリンが何かの原因で製造されなくなったり,または製造されたインスリンの働きが悪くなったりして,血液中のグルコース(ブドウ糖)が異常に多くなり,血管がボロボロになり、血流が途絶え、四肢の末端が壊死(えし)(腐る)して、手足を切断しなければならなくなる。糖尿病によって失明する人は相当数に上る。図には胆嚢(たんのう)も描かれているが,脂肪の消化に必須である胆汁を分泌する臓器である。

5) 肝臓 
  健康な成人の肝重量は体重の約1/50、1.0-1.5kgで、大きな臓器である。
肝臓は驚くほど多種多様な機能を担っており、働きは少なくとも500以上あるとされ、代謝(たいしゃ)、生合成、排泄(はいせつ)、解毒(げどく)、体液の恒常性(こうじょうせい)の維持(一定の正常な状態に保つ)などにおいて重要な役割を担っている。

アルコールの分解能と大きな関連があることで、一般には知られている。お酒を飲み過ぎると,肝臓は四六時中働き続けなければならないので,長い年月の間に肝機能が弱り、遂には肝硬変に至り,そして肝臓ガンという道筋が定まっていると考えられている。

また、十二指腸に胆汁(たんじゅう)を分泌(ぶんぴつ)して、特に脂肪の消化に大きな役割を果たしている。
このように、肝臓は体内に吸収された栄養を分解して他の物質に作りかえたり,他の生体物質を合成するための材料に変えたり、体外に排泄するための構造に変えたりという縦横無尽の働きをする。
肝臓は吸収した栄養を貯蔵する臓器としても働き、また、重要な多くの酵素タンパク質や、脂質などが生合成される臓器でもある。

肝臓が比較的再生能力が高いことは、よく知られているが、それは部位による機能の分化度が低いためで、一部が損傷されても再生能力が強く、損傷などがあっても症状として現れにくい。したがって、自覚症状が出る頃には非常に悪化していることもあり、「沈黙の臓器」などと呼ばれることがある。

6)腎臓(じんぞう) 
腎臓は小豆粒の形をしており、腰のあたりに左右に二つある。hurohushi_14.pngのサムネイル画像
心拍出量の20-25%を受け入れ、腎血流量は800-1200ml/minにも及ぶ。

体の掃除を司(つかさど)る機能は,肝臓、腎臓、そして大腸が主要な臓器である。腎臓が働かなくなったら,命に関わることは周知(しゅうち)の事実であり、腎(じん)透析(とうせき),臓器移植など,近代医学の進歩に伴い,様々な手段が講(こう)じられている。

腎臓の機能

(1)尿生成を通じて、体液(細胞外液)の恒常性(こうじょうせい)を維(い)持(じ)すること、 図に示しているように、腎臓へは体液が流れ込み、大量の原尿(成人男子平均,1日180㍑)を生成する。その中から,再使用できる成分や水を回収して,体外に捨てるべきものだけを選び取って捨てる。最終的に尿として体外に排泄されるのは,原尿の僅か8~9パーセント、平均1.5㍑である。
(2) 尿素などのタンパク質代謝物を排泄(はいせつ)すること、
(3) 内分泌と代謝調整

7)骨・関節

  骨髄移植などが行われるようになって,骨が死んだものという観念がやっとなくなったように思われる。骨は、骨hurohushi_12.pngのサムネイル画像髄のみならず,カルシウムのかたまりのように思われていた部分を含めて,活き活きと生きており、常に代謝回転していて,古くなった部分は破(は)骨(こつ)細胞によって処理され,造骨細胞によって新しい骨細胞が造られている。

骨の外側は盛んに増殖する骨膜が覆(おお)っており、断面図に見られる内部の空洞(くうどう)に見えるところには、盛んに細胞分裂をしている、おなじみの骨髄で満たされている。
 骨には,血管と神経が走っており、まさに生きているのである。

 創世記2章22~23節
神である【主】は、人から取ったあばらをひとりの女に造り上げ、その女を人のところに連れて来られた。人は言った。「これこそ、今や、私のからの、私の肉からの肉。これを女と名づけよう。これは男から取られたのだから。」

伝道者の書11章5節(口語訳)  
あなたは、身ごもった女の胎の中で、どうして霊が骨にはいるかを知らない。そのようにあなたは、すべての事をなされる神のわざを知らない。

エゼキエル書 37章 5~7節
神である主はこれらのにこう仰せられる。見よ。わたしがおまえたちの中に息を吹き入れるので、おまえたちは生き返る。わたしがおまえたちに筋をつけ、肉を生じさせ、皮膚でおおい、おまえたちの中に息を与え、おまえたちが生き返るとき、おまえたちはわたしが【主】であることを知ろう。」私は、命じられたように預言した。私が預言していると、音がした。なんと、大きなとどろき。すると、骨と骨とが互いにつながった。

骨の構造、成分分析、その他については,別の項目にて詳細に学ぶことにする。

骨と骨のつなぎ目、関節が自由に動くようにクッションの役割をする骨端(こったん)軟骨(なんこつ)・半月板(はんげつばん)など、特別な構造が備えられている。関節(かんせつ)包(ほう)には、天然の優(すぐ)れたエンジンオイル、潤滑油(じゅんかつゆ)で満たされている。これらが小さな関節から大きな関節まで、体中すべての関節、すべての組織に張り巡らされて、命を支えている。

8)その他  
皮膚(ひふ)

全身を覆(おお)っている皮膚組織もまた、忘れられてはならない役割を果たしている。皮膚はただ単に覆(おお)いの役割を果たしているだけではない。 熱い、痛い、痒(かゆ)いがどのようにして、何故判別できるのか、それを判別した後、直ちに応答反応が起こるのは,どのような仕組みがあるのか。

眼・耳 

物が見える仕組み、音が聞こえる仕組みの類(たぐ)い希(まれ)なるメカニズムは,これだけを見ても驚嘆する。全体が一糸乱れず整えられていなければ,その機能は発揮(はっき)できない。

脳    

脳の記憶のメカニズムは,多少解明されてきていると思われているが、しかし、その本質はまだ何も分かってはいない。中枢として生命のすべてを司っていると考えられており、だからこそ脳死という概念が・・・実のところその本質は不明であるにもかかわらず・・・広く受け容れられるようになってきた。そして、分からない上に積み重ねて、脳死は人の死であると何となく受け容れる人々が増えてきているようである。

自律神経 

自分で制御できない神経系が命を支えている。

 創造主がご自身の御姿を映して造られた私たち人の,肉体的側面のほんの一部を垣間見た。これら臓器一つ一つの働きを,全体から切り離して語ると大きな間違いを犯すことになる。しかし、それでもそうせざるを得ないほど,絶妙に造られているのである。

 近代医学・生物学、近代科学は、それぞれの臓器を,あたかも部品であるかの如き取り扱いをしてきたが,昨今、それがどんなに間違いであるかということに気付き始めている。キリスト者はもちろん、初めから知っていたはずであるが,異なった視点を持ち,異なった動機で研究している、キリスト者以外の学者が、この同じ結論に到達し始めていることに,創造主の導きを見出すことが出来る。

 私たちは全体として統御されている存在であること。細胞を,組織を,臓器を切り離してみる視点はそろそろ諦めなければならない。

 全体として統御されたものとして創造されているのは,実は,人だけではない。少なくともいのちを与えられた動物は,人とは仕組みは異なっていても,統御された生き物として主が創造なさったことを、生物を学ぶ者はまず理解してから,取りかからなければ正しい目標に辿り着けないだろう。

 全体として,無駄は何もないこと,すべてがそこに存在していることが必須であることを,創られた方が全能者であることを知っていれば,無駄はあるはずがないのである。
  
コリント人への手紙第一12章:21~22節

頭が足に向かって、「私はあなたを必要としない」と言うこともできません。それどころか、からだの中で比較的に弱いと見られる器官が、かえってなくてはならないものなのです。

詩篇139篇14節

私は感謝します。あなたは私に、奇しいことをなさって恐ろしいほどです。私のたましいは、
それをよく知っています。 

コリント人への手紙第一6章19~20節 

あなたがたは知らないのか。自分のからだは、神から受けて自分の内に宿っている聖霊の宮であって、あなたがたは、もはや自分自身のものではないのである。あなたがたは、代価を払って買いとられたのだ。それだから、自分のからだをもって、神の栄光をあらわしなさい。 【口語訳】

[Ⅴ] 結語

伝道者の書 7章24節

物事の理は遠く、また、はなはだ深い。【口語訳】

コリント人への手紙第一8章2節 

人がもし、何かを知っていると思ったら、その人はまだ知らなければならないほどのことも
知ってはいないのです。