設問9で少し触れたように、骨は生きている。生きているということは、常に代謝回転しているということである。すなわち、古くなった骨は廃棄処分され、その代わりに新しい骨が造られている。
特に、すでに一般によく知られているように、骨髄は最も活発に生物反応をしている部分であり、様々な生合成を行っている。
そして、肋骨は骨の外側を覆っている膜、骨膜が残されていると、短い期間に骨を再生することが出来るのである。主がどのようにアダムのあばら骨を1本、抜き取られたのかは不明であるが、主は全知全能である。人類が最初に受けた手術は、美しく完璧なものであったはずであり、骨膜はどんな傷もつけずに残されたと考えられる。
したがって、アダム本人のあばら骨は割に短い時間のうちに、完全に元の姿に戻ったであろう。
余談ながら、現在、人類の外科技術は驚くほど発達していることは周知の事実である。かなりの手術は、開腹しないでお腹に3つほど小さな穴を開けて、顕微鏡下で手術を行っている。そして、あばら骨を取らなければならないときには、外科医は骨膜を残すそうである。
かつて、アダムがあばら骨を1本取られたので、男性のあばら骨は1本少ないという迷信が教会に吹き荒れたことがありました。しかし、アダム自身さえ、程なく完全に治癒したはずです。
そしてまた、別の側面は、骨でも指でも何かを失ったとしても、遺伝情報に変化がない限り、その情報は子孫には伝わりませんので、男性も女性もあばら骨の数は同じです。